らくらくラテン語入門
第19回 格変化のパターン・性・格の見分け方
SALVETE! UT VALETIS?
Justusです。
今回は、ご質問を一通いただきましたので、それにお答えする目的で書きます。
ブラジルのサンパウロでポルトガル語を勉強されているSeikoさんから、ラテン語の格変化のパターン・性・格の見分け方を易しく教えて欲しいという趣旨のメールをいただきました。
今日は、このご質問にお答えしたいと思います。
性の見分け方
まず性についてですが、簡潔にお答えするとすれば、性に関しては、これは覚えるしかありません。私はポルトガル語は挑戦したことがないので分かりませんが、多分ポルトガル語でも同じだと思います。
ただ、-tioで終わる単語は女性名詞だとかいった個別的なルールはありますね。現在のヨーロッパ言語でも、-tion, -sion, -ción, -zioneなどで終わる単語は、軒並み女性ですよね。
ただ、この手のルールには例外が多いのです。例えば、ドイツ語では-eで終わる単語は女性名詞が多いのですが、Gebäude(中性)、Gedanke(男性)といった例外が数多くありますし、同じように、-nisで終わる単語は中性が多いのですが、これもErlaubnis(女性)、Kenntnis(女性)といった例外があります。
ラテン語にしても、例えば単数主格が-aで終わる単語は比較的女性が多いのですが、このルールも余り役に立たなくて、poeta(詩人、男性)やらnauta(航海士、男性)やらといった例外がある上に、O型格変化の中性名詞の主格も-aで終わりますので、文章中で-aという語尾が出てきたところで、きちんと単語の性を覚えていなければ、ほとんど役に立たないのです。
ですから、性については、泥臭く覚えてください。ドイツ語でもフランス語でもスペイン語でもイタリア語でもポルトガル語でも、最初はみな泥臭く覚えるものです。ラテン語でも同じです。
その際、性を調べるために辞書ばかり引いていると、時間ばかりかかって生産性がよくありませんので、まずは、初学者向けの学習書に出てくる単語を徹底的にマスターするのがよいと思います。初学者向けの学習書であれば、まず例外なく性は書いてあります。
いきなり原典を読みながら文法を勉強しているつわものの方も、ぜひアンチョコを手に入れて、単語を調べる手間を省いてください。有名な原典であれば、ドイツ語などでアンチョコが出ていると思います。
格変化のパターンの見分け方
次に、格変化のパターンの見分け方ですが、これは、単数主格と単数属格を知ることによってわかります。こちらにフローチャートがありますので、参考としてください。
これも、一語ずつについて覚えるに超したことはないのでしょうが、別に覚えなくとも、格変化の全貌をつかんでいれば、大体分かります。この講座でも、かなり重点的にやってきていますので、みなさん、格変化の全貌はだいたいつかめていると思います。
ただ、この講座では、まだ複数形をやっておりませんので、次回辺りからやっていきたいと思います。とはいえ、複数形は簡単ですので、比較的早く済むと思います。
その後、改めてじっくりこのお話をしましょう。
格の見分け方
最後に、格ですが、これは、格変化のパターンが分かればすぐに分かります。最初から暗記するのは難しいでしょうから、格変化表と対照させるとよいと思います。そのうち、何も見なくともできるようになります。
格変化表は、たいていの辞書や文法書に出ていますので、それをご覧になればよいと思います。インターネット上なら、こちらを参照してください。
というわけで、次回から複数形をやっていきましょう。その後、またこの話に戻ろうかと思います。
それでは!
VALETE!